北海道新聞に不登校「問題」の本質を突く記事が掲載されましたのでご紹介します。

【義務教育って何】北海道新聞2016年7月25日夕刊「今日の話題」

不登校という言葉が一般的でなく、「登校拒否」と言われていたころのことだ。

道内ではまだ珍しかったフリースクールの代表者が、取材に対し学校への怒りをぶちまけた。

「義務教育」という言葉を教師は理解していない。学校に通う義務が子供にあるのではない。

子供にあるのは学ぶ権利で、大人にはその権利を守る義務があるということなのだ。

なのに学校は登校しない子供やその親を責め、無理やり学校に来させようとする-と 「子供は学校が楽しければ、来るなと言っても来る。

登校拒否が生じるのは学校が楽しくないから。つまらない学校しかつくれない教師こそ恥ずべきなんです」

あれから二十余年。社会の意識も変わってはきたが、それでも道内の不登校の小中学生は2014年度の調査で4298人、全国でも12万3千人に上り、しかも最近は増加傾向にある。

全国に500カ所以上あると言われるフリースクールを義務教育制度内に位置づけようと、超党派の議員連盟が検討していた法案の提出は、反対意見が相次ぎ頓挫してしまった。

不登校がなくならないということは、従来の対策では解決できないということにほかならない。

12万3千人の学ぶ権利が侵害されている。文部科学省や国会議員は、その重さをどう考えるのか。

義務教育の意味を、もう一度かみしめてほしい。(坂本和之)

もちろん私は、不登校の原因が全て学校にあると考えてはいませんし、厳しい労働条件のもとで、魅力ある学校づくりに懸命に努力なさっている先生方もたくさん存じ上げています。

私が基盤とするソーシャルワーカー倫理綱領(2005年)では、ソーシャルワークの定義で次のように述べています。

『 ソーシャルワークは、人間の行動の社会システムに関する理論を利用して、人びとがその環境と相互に影響しあう接点に介入する。』

個々の学校や先生方のご努力に敬意を表しつつ、現在の学校システムでは不登校をなくすことはできないと考えていますのでそのことを端的に表現するものとして、この記事をご紹介した次第です。

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