道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第105号:2015年1月

【例会】時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室

1月11日 2月8日 3月8日 4月12日  5月10日  6月14日
7月12日 8月9日 9月13日 10月11日 11月8日 12月13日

2月8日例会終了後、新年会を開催します!(^^)! 17時~

会費3500~4000円くらい 確定でなくても「参加できそう」という方は、とりあえず1月末までにご一報ください。当日の参加申込もOKです。

樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の午前11時~午後1時、函館地域生活支援センター(駒場町9−24)で開催します。
ひきこもっているお子さんへ「はがき」を送る取り組みについて

前号でもご案内しましたが、たくさんの方のご利用をお待ちしています!
(1)目的 「親子の理解を深める」「家族以外とつながる」きっかけとなるように。
(2)対象 親が「あさがお」に参加していることを知っているお子さん
(3)内容 *お子さんに対し、「~してほしい」「~が心配だ」といった親の気持ちは書かない。
     *親自身が反省したり悩んだりしている姿、変わろうとしている事、前向きに考えよう      としている事を伝える。
(4)手順 担当者(はがきを出す人)と親御さんが話し合い内容を決める → 文面が完成したら内容
     確認 → 了解が得られれば投函  
(5)申し込み 野村(090−6261−6984)までご連絡ください。担当者に繋ぎます。

会員家族の相互訪問・当事者による家庭訪問 まだ希望は少ないですが、「家族 同士の親睦を深めたい」「当事者の話をもっとゆっくり聞きたい」という方は是非ご活用ください。

ひきこもっている本人に直接働きかけることが目的ではありませんが、外の風にふれることでご家族の気持ちが軽くなり、本人にも良い影響を及ぼすことを願っています。


◆11月6日に函館アカシヤ会と共催した「イイトコサガシ実践講座」は、午前・午後の部合わせて41名の方が参加、うち4割は会員以外の方で関心の広がりを感じました。

ファシリテータの横山小夜子さんは講演の中で仕事や家庭生活での「失敗談」を赤裸々にお話いただき、参加者一同、涙と笑いにつつまれました。

48歳のときにアスペルガー障害という診断を受け、自分の生き辛さの正体を知ったことからイイトコサガシの活動に参加しました。障害をマイナスとばかり考えず、それと上手に付き合いながら、生活を楽しく心豊かなものにしていく工夫を活動を通して編み出していった体験談は、とても感動的でした。

ですから、様々なコミュニケーションを体験するワークショップは、参加している人も見学する人も「ナルホド、ナルホド」の連続で、とても楽しく有意義な会となりました。


◆11月9日の例会は、19名(当事者・家族13名、サポーター・ゲスト6名)が参加、途中から心理カウンセラーとの個別相談や発達障害に詳しい会員さんとの個別相談の場も持たれました。

 12月14日の2014年最終例会も18名(当事者・家族14名、サポーター4名)が参加、ひきこもりが長期化し膠着状態の方々の悩みを中心に語り合いました。

 2014年一年間ののべ参加者は229名、一例会平均19名とたくさんの方に参加いただき、毎回のように初めて参加される方もおりますので、ささやかですが当会の役割の大切さを再認識した一年でした。


◆11月例会には、たいへんお忙しいなか、お二人の函館市議会議員も参加してくださいました。ひきこもりについては「制度の谷間」ということもあり、なかなか行政の支援も進まない現実がありますので、政治に携わる方々に参加いただくのは、とても心強いことです。


◆ひきこもり当事者の中で、不登校を体験した、あるいは不登校気味だった方の多くは、その原因・きっかけに「いじめ」があったことが、例会のなかで繰り返し話され、今回もそうでした。

また、社会に出てから職場でのいじめやパワハラで退職に追い込まれ、その精神的・心理的ダメージが大きくてひきこもり状態にある方々の例もたくさん出されます。

これは、例会だけでなく、野村が相談員を務める「はこだて若者サポートステーション」の相談場面でも、よくうかがうお話です。


◆この話題を受けて、市会議員のお一人が「私の子どもも、小学生のときにいじめを受けて学校に行けなくなった。いろいろあったが、私は『そんな学校には行く必要がない』と子どもにはっきり言い学校にも『こんな危ないところに子どもを通わせることはできない』と伝えた。

しばらくして子どもは元気になって学校に戻り、その後は大きな問題もなく学校生活を過ごし社会人になっているが、安心して学校を休ませたことが良かったと思う」という貴重な体験をお話してくださいました。


◆学校での「いじめ」にどう対処したらよいか、ここに答の核心があるように思います。危険回避と子どもの安全・安心の確保が最優先です。

「学校を休むと大変」と考えて無理に登校させたりすると取り返しのつかないダメージを与え、トラウマになる場合もあります。すると、大人になって同じような体験に遭遇するとフラッシュバックを引き起こし、動けなくなってひきこもり状態に追い込まれることが実に多いのです。

学校はもちろんですが、社会全体でもっと「いじめ」の持つ危険性、犯罪性についてしっかり理解する必要があることを、あらためて再認識した次第です。


◆このように、目の前のことよりもっと長期の視点で子どもの成長を考えたいと思います。例会で、臨床心理士の大杉さんから、教育関係の新聞に載っていた「人はどんなに回り道をしても、あとから振り返るとまっすぐな、それは一本道」という一文が紹介されましたが、全くそのとおりと思いました。


◆樹陽のたよりの11月、12月とも例会参加者は10名で、2014年一年間ののべ参加者は96名(11回開催で1回平均約9名)にのぼり、ひきこもりを体験した方々の貴重な交流の場になっています。いろんな悩みや困りごとを率直に出し合うほか、うれしい報告に励まされることも多々あります。

樹陽スタート時からのメンバーで、不安障害などもあって20年くらい就職ができなかった方が、近くの工務店で不定期のアルバイトを始めました。町内会行事のボランティアに参加した際、一生懸命な仕事ぶりが社長さんの目にとまり、声をかけてもらったそうです。

サポステも開設当初から積極的に利用していたのですが、「39歳まで」という年齢制限に達したため利用できなくなり、「樹陽」にも足が遠のいていましたので、皆さん気になっていただけに、この話に大喜びしました。

 ご本人は、同居する難病のお父さんの介護や、お母さんの負担軽減のために家事も長いこと手伝ってきました。傍から見れば、そして厚生労働省の「定義」からすれば確かに「ひきこもり」ということになるでしょうが、彼がいなければヘルパーさんなどを頼み、その分社会的な経費もかかることになります。

それを彼が肩代わりしてきたとも言えますので、社会的な役割を担ってきたのではないでしょうか。男女を問わず、「家事労働」という立派な役割を社会的に認めることも大切であり、「自立=就労」という狭い枠組みにとらわれず、ひきこもりの支援を考える必要があるように思いました。


事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp

年会費千円を納入いただきますと隔月のニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。当会は公的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にも関心をお持ちの方々に会員になっていただき、ご支援いただければ幸いです。

 【口座番号:02770−2−37078 口座名:道南家族交流会】