道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第117号:2016年11月

【例会】毎月第2日曜日午後2時~4時、函館市総合保健センター2階会議室等で開催します。

日にちは次のとおりです。
11月13日 12月11日 2017年 1月8日 2月12日 3月12日 
 
樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の11時~13時、函館市総合保健センター(第2健康指導室)で開催します。

——————————————————————————-

※5月29日に浦安市の家族会「不登校を語るつどいBaobab]が講演会+親の会を開催、野村が「不登校の家族が越える5つの関門~不登校・ひきこもり・いじめにどう対処したらよいか」という演題で講演させていただき、その抄録が「不登校新聞」に掲載されました。

不登校の部分が多く収録されていますが、「進学」を「就労」に置き換えて読んでいただければ、同じようなことが言えると思います。

多くの親御さんから「身に覚えのあることばかりで、とても役に立った」という感想が寄せられましたので、参考までに同封いたしました。

——————————————————————————-

9月11日例会は参加者23名と多数でしたのでグループに分かれましたが、今回はいろんな状況をお互いに知り合いたいということで、テーマを決めないで2班で話し合いをしました。

10月9日例会は15名の参加で、お互い状況を知っているメンバーが多かったので、グループに分かれずに日常生活をめぐる様々な体験や悩みなどを熱心に語り合いました。

樹陽のたよりは、9月例会は9名、10月例会は7名の参加でした。

日常生活の悩みを語り合うとともに、HIFが開設している大人のフリースペースヨリドコロに通って生活にリズムができたことや、サポステの大人のインターンシップから就労に繋がった体験、「障害認定」を自分を知る機会として前向きにとらえているなど、励みになる体験もたくさん話されました。

——————————————————————————-

また、10月16日に、「登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会」と「函館圏フリースクールすまいる」が共催して下記のつどいを開催し、「あさがお」も後援しました。主催者の予想を大幅に超える110名もの参加があり、内容もとても有意義なもので、運営委員の安藤さんが、とても分かりやすいレポートを寄せてくださいましたので紹介します。

【不登校・ひきこもりと「発達障がい」を考えるつどい:報告】

今回の「つどい」には、各方面から多数の参加がありました。会場あふれんばかりの人達の心に、高橋実花先生のメッセージは暖かく深く届いたことでしょう。

「困難を抱える子ども・若者に寄り添うために~家族・教師・支援者などにお願いしたいこと」という演題の先生のお話の中から、3点印象に残った内容をあげてみたいと思います。

1.子どもの「現在」を否定しない

「子どもの話を否定せず、しっかりと聴く」「不登校・ひきこもり等の状態を、困った状態と思わない」ということでした。子どもの現状を「困った」と思い、何とかしなければと思っていると、それは子どもに伝わります。

親にとって自分が「困った存在」であるということが、子どもの生きる自信を失わせ、その状態を「何とかしなければ」という思いは、高いハードルとなって子どもに迫ります。

さらに動きの取れない状態に子どもを追い込んでしまうことになります。

今の子どもの困難な状態を認め、受け入れ、安心して居られる場所をつくってあげることが大切なこととお話されました。

2.お母さんと家族の笑顔

忘れてはいけないのが「笑顔」で接するということ。

お母さんや家族が心の底から「安心していていいんだよ」と伝えてあげられる「笑顔」の大切さを話されました。つくった「笑顔」は子どもに見破られます。

本心から表れる「笑顔」は、子どもの心を癒し、生きている自分の大切さを感じていく大きな支えとなることでしょう。

3.子どもの状態を否定せず付き合ってくれる「他人」の存在

家族に見守られている子どもたちが次に必要とするのは、この「他人」との出会いです。

現状では、この出会いの機会を得ることがなかなか難しいことではあります。

4周年を迎えた「すまいる」等の存在価値は、こうした点から考えても非常に重要だと思いました。

「他人」とかかわる居場所として、自分にあった学びの場として、進路を探る手立てとして、「すまいる」が子どもたちに果たす役割はとても大きいと感じました。

最後に、先生のお話からぜひともお伝えしたい言葉があります。

東田さんという発達障がいの方の言葉です。

「側にいてくれる人は、どうか僕たちのことで悩まないでください。

自分の存在そのものを否定されてしまうようで、生きる気力がなくなってしまうからです。

僕たちが一番辛いのは、自分のせいで悲しんでいる人がいることです。

自分が辛いのは我慢できます。

しかし、自分がいることで周りを不幸にしていることには、僕たちは耐えられないのです。」

この言葉は、困難を抱えた多くの人たちの心の内を代弁しているように思えました。

先生のお話はやさしく、そして力強く私の中にしみわたってきました。

「発達障がい」「不登校・ひきこもり」の子どもたち中心のお話でしたが、聞き終わってみると、これはすべての「困難を抱える人たちに寄り添う」ためのお話だったと思いました。

そばにいる者として、「なんとかしなければ」と思うより先に、現状を受け入れ「笑顔」でいられる自分になってみること。

世間並みのレールに戻そうと頑張るよりも、「世間並みって何?」と自分の価値観に問いかけてみること。

こんなふうに自らを省みることが、そばにいる者として共に困難に立ち向かう一歩かと思いました。

【八雲町が家族の集いを開催】

行政にも前向きな動きがあり、11月11日(金)13:30~16:30、八雲町が公民館第1・第2集会室で不登校・ひきこもりに関わる家族、支援者の懇談会&相談会を開催します。

子ども・若者育成支援推進法(平成21年)が施行され、地方公共団体も不登校やひきこもりの子どもや若者のサポートに努めることになり、八雲町では子育て支援センターが様々な事業を取り組んでいます。

とても心強い動きで、当日は野村もアドバイザーとしてお手伝いにうかがいます。

(問合せ・申込み:電話01376-62-2537)

——————————————————————————-

事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp