道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第96号:2013年7月


今後の例会日程は次のとおりです。

7月14日 8月11日 9月8日 10月6日(注!第1日曜日です)
11月10日 12月8日 2014年 1月12日  2月9日  3月9日
 時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室
  樹陽のたよりも基本的には同日の午前11時~午後1時の予定です。
  会場はいつもの函館地域生活支援センター(駒場町9−24)です。

会員登録の状況

  今年度はこれまでに58人(家族)に入会いただきました。年会費
 千円で隔月のニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。当会は公的助成を  受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にもこのようなテーマ
 に関心をお持ちの方々に会員になっていただき、活動をご支援いただければ幸いです。
 【口座番号:02770−2−37078、口座名:道南家族交流会】

会員家族同士の相互訪問

 3回目は5月11日に5名で会長宅にお邪魔し、ゆっくり語り
 合うことができました!(^^)!、第4回を7月20日(土)10時~12時に開催を予定ですので、
 訪問を受けたいというご家族や訪問に参加したいという方は野村までご一報ください。

「経験者がつづる ひきこもるキモチ」のFonte連載について

NPO法人全国不登校新聞社発行のFonteでとても興味深い連載が始まっています。
  その一部の同封しましたので、続きをご覧になりたい方は野村へご連絡ください。

函館市は毎月第3火曜日14時~16時、函館市総合保健センターで「発達障がい相談」を実施します。

対象者本人は、函館市に居住する18歳以上の市民で発達障害の診断を受けていない者で、専門医が本人または家族、関係者等の相談を無料で受けます。申し込みは☎21-3077


★5月12日の例会は家族・当事者21名、サポーター4名の25名、6月9日の例会は家族・当時者16名、サポーター3名の19名が参加、いずれも初めてや久しぶりの方も多かったので、自己紹介を兼ねて現在の状況や悩みなどを語っていただきましたが、やはり2時間では全く時間が足りませんでした。グループに分かれてもっとじっくる話し合う方が良いのか、全体で共有したい大事な話題もたくさん出されるので今のスタイルが良いのか悩むところですので、皆さんのご希望をお寄せください。

★今回も、「信じて待つことが大切だ」という思いと、「甘やかしているのではないかと不安になる」という自問が常に行きつ戻りつする葛藤について、たくさんのご家族からお話が出されました。
「学校を卒業して家から離れて暮らしているが、仕事が長続きせず仕送りを止めることができない」とか「食事付きで家に居て、ゲームやネットなど好きなことばかりやっているので、今の生活に安住しているように見える」、「身の回りの始末など自分のことは自分でやってほしいが、親任せになっている」「いつまでもこのままでは困ると思っていても、何か働きかけて関係がこじれて家の空気が悪くなのが心配」等々出されましたが、これらは多くのご家族に共通する悩みではないでしょうか。

★このことは、「どこまで受容し、どこからは拒否するのか」という「線引き」の話になりがりですが、ひきこもりに至る経過や背景、家庭の事情など一人ひとり違いますので、マニュアル的な答はありません。ただ、家族が持つべきスタンスとして、次のことは共通しているように思います。

(1)本人の今の状態を否定しない

表面的に見れば、本人もおそらく今の状態に満足しているはずがなく、例えば「親の支えがなくなったらどうなるだろう」という不安の気持ちでいっぱいだと思います。不安を持っている人に対し、さらに不安を大きくするような言葉がけは逆効果ですので、まずは「何かの事情で、今の状態が必要になっている」と考えて、「今本人が出来ていること」に着目することが大切かと思います。ある親御さんが、「仕事を3か月で止めてしまう」という見方から、「本人の今の状態で、3か月も仕事をすることができた」と、こちらに見方を変えることで、子どもに対する接し方が変わっていったとお話されていましたが、ナルホド!と感銘を受けました。
 また「樹陽」の田中透さんがよく「言葉の持つ力」について語っているように、「あんたは私の子どもだから大丈夫、素晴らしい」とまずは口に出してみることも一つの方法かもしれません!(^^)!

(2)「Youメッセージ」ではなく「Iメッセージ」で

そうは言っても、日々子どもさんに接していますと、「腹に据えかねる」ことも多々あると思います。そんなときに、「腫れ物に触る」ような気持ちで、自分の感情を押し殺してばかりいますと、今度は親御さんの心が折れてしまいますので、自分の気持ちを率直に伝えても良いと思います。その際、「あなたは〇〇だから□□しないといけない」とか「△△することがあなたのためになる」というように、「あなた」を主語にした言い方は逆効果で、「私はこう思う」とか「私は〇〇の状態が辛いので、協力してほしい」のように「私」を主語にした言い方に心がけたいと思います。

(3)「こうあるべき」論ではなく「事実」を告げる

 今回も「定年で年金生活になり、今までのようにいかないと思うので困っている」というお話が出ましたが、生活条件が変わるときなどが、そのような話題を出す良いきっかけになります。その際も「このままでは困るので、〇〇しなさい」と言う必要はなく、事実のみ伝えるだけで良いと思います。例えば、「これからはわが家の収入は〇〇円で、家族が生活し、老後に備えるためには□□円が必要だから、あなたのために用意できるのは△△円」ということをきちんと伝えて、後は本人に考えてもらうわけです。「これを機に本人の自覚を促す」という気持ちになるのは分かりますが、おそらくそのような対応は逆効果で、「家計簿の情報公開」が大切だと思います。また、それをしないで「このままでどうする」とお子さんをいくら責めても、お子さんには響かないと思います。


★樹陽のたよりの5月例会は7名、6月例会は8名の参加で、近況や悩みなどをいろいろ語り合い、有意義な時間を過ごしています。また、新しい参加者の方も増えています。
 アスペルガー症候群の診断を受け、障がい者就労支援の制度を活用して常勤雇用に就いている方の体験談はとても示唆に富むものでした。その時々の上司・同僚の理解の程度により働き方が大きく左右されるのが悩みで、3月までは「窓際族」のような扱いを受けていましたが、4月の人事異動で障害者の就労に理解のある上司に変わり、新しい業務への挑戦をサポートしてくれるなど今は生き生き働いており、「人との出会い」の大切さを実感しているそうです。それと、就労後も職場との調整などで障がい者就業・生活支援センター「すてっぷ」の支援を受けていることや、精神的に辛いときには、「樹陽」の集いに会場を貸してくださっている「函館地域生活支援センター」でも話を聴いてもらえることが、本人にとって大きな支えになっているとのことです。
 また、はこだて若者サポートステーションの様々なプログラムに参加しはじめてから、生活に張り合いが出てきて、就労についても意識が高まってきたとお話される方もいますので、早めに助けを求め、「支援を上手に活用すること」の大切さをあらためて実感しています。

事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp