道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第103号:2014年9月
【例会】時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室
9月14日 10月12日 11月9日 12月14日
(2015年)1月11日 2月8日 3月8日 4月12日
樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の午前11時~午後1時、函館地域生活支援センター(駒場町9−24)で開催します。
9月21日(日)13時~16時「イイトコサガシワークショップ」第1弾!
会場は「あいよる」で会員は無料です。チラシを同封しますので是非ご参加ください!(^^)!
9月20日にはワークショップを進行する冠地情さんの講演会もあります(主催:侑愛会)
11月6日(木)「イイトコサガシワークショップ」第2弾を予定!
イイトコサガシメンバーの横山小夜子さん(1960年生まれ、アスペルガー障害当事者、浦安市在住)がファシリテーターを務め、日中の開催を予定しています(詳しくは次号にチラシを同封します)。
ひきこもっているお子さんへ「はがき」を送る取り組みについて
前号で簡単にご案内しましたが、担当いただく運営委員の方から例会で次のような説明があり参加者から大きな期待が寄せられました。たくさんの方のご利用をお待ちしています!
(1)目的 「親子の理解を深める」「家族以外とつながる」きっかけとなるように。
(2)対象 親が「あさがお」に参加していることを知っているお子さん
(3)内容
*お子さんに対し、「~してほしい」「~が心配だ」といった親の気持ちは書かない。
*「良かった事」「嬉しかった事」は、「とても助かった」「すごく嬉しかった」というような直接的な表現は避けて伝える。
このような表現は同じ事ができない場合の負担感や「やらなければならいない」といった義務感のようなものを持たせることも懸念されるので、子どものタイプ・状態を考え、表現方法を選ぶ。
*親自身が反省したり悩んだりしている姿、変わろうとしている事、前向きに考えようとしている事は伝える。
(4)手順 担当者(はがきを出す人)と親御さんが話し合い内容を決める → 文面が完成したら内容確認 → 了解が得られれば投函
(5)申し込み 野村(090−6261−6984)までご連絡ください。担当者に繋ぎます。
会員家族の相互訪問・当事者による家庭訪問 まだ希望は少ないですが、「家族同士の親睦を深めたい」「当事者の話をもっとゆっくり聞きたい」という方は是非ご活用ください。
ひきこもっている本人に直接働きかけることが目的ではありませんが、外の風にふれることで
ご家族の気持ちが軽くなり、本人にも良い影響を及ぼすことを願っています。
★7月13日は函館地域がお盆でいつもより少人数でしたが、それでも例会には家族・当事者11名、サポーター3名の14名が参加しました。8月10日の例会も台風11号接近の悪天候でしたが家族・当事者11名、サポーター3名の14名が参加し、当事者との関わり方など大事な話がたくさん出されました。
★長くひきこもっているお子さんでも、日常生活では家族とも普通に話をし、食事も一緒にしたり家事を手伝ってくれたり、必要な買い物は自分で出かけたり、車を運転できる方は家族のアッシー君をやってくれたりと、日常生活は穏やかに保たれている場合が結構多いようです。
そこに共通しているのは、ご家族は本人のひきこもりを責めたり、早く今の状態を何とか変えるように迫ったりしないので、親子関係が安定していることです。そうは言っても、親御さんがそれで満足しているわけではなく、「このままで良いのだろうか」と常に自問しています。例会でも、そのあたりの心情が語られ、どのような関わりを続けて行ったらよいか話し合われました。
現象的には「甘えている」ように見え、周囲からは「家が居心地良すぎるから本人が動かない」など「小さな親切、大きなお世話」の「アドバイス」を受ける場合もあり、ご家族も不安になります。
そこで親は、「自分が元気な間はこのままでやっていけるかもしれないが、こちらが先に死ぬだろうし動けなくなるだろうから、そうなったらどうするつもりだ」とついつい聞きたくなります。今は直接口に出さなくても、「いつかは話さなければならないのではないか、どのタイミングで話したらよいだろうか」と思いあぐねている親御さんも多いと思います。
★このような場合、まず確認したいのは、ひきこもっているご本人も、口に出して言わないだけで、今の状態に満足し、このままで良いと思っているわけではなく、「親が亡くなった後、自分は一人でやっていけるだろうか」ということは、ひきこもっているご本人が一番心配していることです。
そのことを直接問われても、今の自分ではどうしていいか分からないことですので、結論を出せないことの結論を求められても答えることができず、自分の無力さや不安感をさらに募らせ、何かしようとしても、かえって足がすくみます。また、人が不安感にかられて動き出した場合は良い結果を生まないことは、ひきこもりや不登校に限らず、私たちも日常生活でよく経験することだと思います。
★にもかかわらずそのような言葉がけをしてしまうのは、「子どものためを思って」のつもりが、実は自分の不安を言葉に出すことで、親が自分の気持ちを鎮めているからではないでしょうか。
日常の家族生活がある程度落ち着いて保たれている場合は、まずその関係を壊さないことが基本だと思います。ただし、その場合「腫れ物にさわる」ような関わりでは、親も疲弊しますし、お子さんもそんな親の気持ちや雰囲気を十分に察知しますので、ギクシャクした関係になってしまいます。
ですから、親自身の生活の大きな変化(定年や病気、連れ合いの病気や死去、家の改修や転居など)の節目、節目で、親自身の気持ちを伝え、お子さんのこれからのことを話し合うことは大切です。
★その場合、「このままでどうする」「面倒見れない」といった脅し的なスタンスでは、せっかく維持してきた親子関係自体が崩壊するかもしれません。ある親御さんは、まずは「自分が生きてる間はしっかり応援するよ」とはっきり伝えることが大事だと仰っていましたが、ナルホド!と思いました。
「親が死んだらどうする」という言い方では、子どもは自分が責められ、行動を迫られるているように感じるでしょう。「生きてる間は~」というのは、「死んだ後は面倒を見ることができない」という意味でもありますので、内容的には同じことかもしれません。しかし、受け取る側は「しばらくは大丈夫そうだ」という安心感を持ち、前向きな気持ちにもなれるのではないでしょうか。
もちろん、応援できる内容は、親御さんの経済状態や年齢、健康によって違いますから、その事実をしっかり説明したうえで、親としてできることを約束し、あとはお子さんご本人の判断と行動に委ねることで良いのではないでしょうか。
★樹陽のたよりの7月例会は10名、8月例会は7名が参加し、近況や悩んでいることなどを語り合いました。ゆるやかな交流の場ですので、安心して参加いただけるのではないかと思います。
事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp
年会費千円を納入いただきますと隔月のニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。当会は公的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にも関心をお持ちの方々に会員になっていただき、ご支援いただければ幸いです。
【口座番号:02770−2−37078 口座名:道南家族交流会】