道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第98号:2013年11月


今後の例会日程は次のとおりです。

11月10日 12月8日 2014年 1月12日  2月9日  3月9日
 時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室

  樹陽のたよりも基本的には同日の午前11時~午後1時の予定です。
  会場はいつもの函館地域生活支援センター(駒場町9-24)です。

会員家族同士の相互訪問

 これまでに会長宅と運営委員のMさん宅に4回お邪魔していますので、他に訪問をご希望のご家族がございましたら、野村までご一報ください。この取り組みは、あくまで会員家族相互の親睦が目的で、ひきこもっているお子さんに直接働きかけるためではありませんので、お子さんにその旨ご理解いただくようお願いいたします。

ふぉろーず

 思春期以降に自閉症スペクトラム障害(高機能自閉症・アスペルガー障害・その他の広汎性発達障害)の診断を受けた方及びその可能性のある方の家族による勉強会で、毎月第1  日曜日の13:30~15:30、函館市総合福祉センター「あいよる」で開催しています。参加費は無料、お問い合わせは野村へ(090-6261-6984)


◆9月8日の例会は家族・当事者14名、サポーター名5名の19名が参加、10月6日の例会は「ふぉろーず」と日程が重なり、少ないと思っていたのですが家族・当事者14名、サポーター4名の18名が参加、毎回20名前後で推移しており「ひきこもり」が依然として大きな課題であることを示しています。
 周りからは、長い間ひきこもっている人はほとんど変化がないように見えます。しかし、本人の心の中はいろんな思いが渦巻き変化していると思います。どんな時期に、何がきっかけで、その変化が外に向かう動きになるのかは、事前には誰も分かりません。
 専門学校でうまくいかず、自宅に戻ってからひきこもり、家族以外との接触が6年間以上なかった方が「サポステ」に通い始めました。それまでもご家族は、本人にサポステのことはさりげなく伝えていました。今年に入り本人が少し興味を示したようなので、まずご家族がサポステを見学し、どんなところかでどんな雰囲気なのか、何をやっているのかを具体的に説明しました。
 やがて本人は久しぶりに衣服の買い物や美容室に出でかけ、家族と一緒にサポステに行きました。グループ活動にはまだ参加できませんが、スタッフと個別に会って話をし、これからも行くのを楽しみにしている様子とのことです。ご家族の話では、本人が関心を向け始めた直接のきっかけは分からないし、各別積極的に働きかけた訳でもないとのことです。本人の中で何かが熟成してきたのだと思います。また、この体験をうかがって感じたのは「さりげなく」とか「具体的に」話すことの大切さでした。辛抱強いご家族の対応は本当に頭が下がります。また、サポステでのことも、あれこれ詮索するような聞き方はしていないそうで、それもとても大事な関わり方だと思いました。

◆大学院で2年間ほど動けなくなり、ご家族からの連絡にも応答のない状態になっていたお子さんがうつ病の治療に通い始め、大学院も退学して就活を始めたところ、先日就職が決まったそうです。何がきっかけなのか、具体的なことは親御さんも分からないそうですが、「大学院をなんとしても卒業しなければ」という呪縛が解けたことも動き出せた要因ではないだろうかと、ご家族はお話していました。それまでの経過をうかがいますと、お子さんに対しては先回りしたり指示的な関わりをせず、「何かあればいつでも協力する」というメッセージを送り続け、病院やサポステなどの情報は知らせていたそうです。やはり、本人を責めたり、叱咤激励してもダメなことをあらためて学びました。
◆お子さんが50歳を超え、親御さんもご高齢で身体も不自由になり、このまま「共倒れ」になるのではないかと不安を募らせている方も参加されています。お子さんは表情も険しく、全く会話できないと悩んでおいででした。しかし、親御さんが会に参加されていろんな体験を聞くうちに、「自分のとても不安な気持ちに、子どもが反応したためではないか」と気がつき、あれこれ先のことを心配しなように心がけたら、お子さんの表情が和らぎ、少しですが会話も復活したそうです。
 また、ご自身のこれからのことなど、高齢者の生活全般について相談支援にあたる「地域包括支援センター」にも相談しているそうですので、自分だけで抱え込まないことが大切なことを、あらためて確認できました。また、会での話し合いがお役に立てたことも嬉しいことでした。
 「親の気持ちが変わると、子どもも変わる」というのはよく言われることですが、これこそ「言うは易く行おうは難し」の代表格です。一人でこのような気持ちの切り替えをすることは至難の業ですので、その後押しもこのような家族会の大きな役割だと思います。

◆ひきこもりが長期化し、活動量が減ってきますと食事もあまり進まず、拒食のような状態になると、とても心配です。身体が細っていくわが子を気遣う親御さんのお話が何件かあり、「家族と一緒に食べないので、部屋の前に食事を運んでいるが、このようなやり方でよいのだろうか」という悩みも出ました。それでかろうじて最低限の栄養を取れている場合もあるでしょうし、プレッシャーになる場合もあり一概には言えないでしょうが、「食べたいときに自分のペースで食べられる」という配慮があれば、まずは良いのではないかと思います。日常生活に大きな支障をきたす状態では、やはり専門医療機関への受診を説得する必要もありますが、精神科受診に本人が拒否反応を示す場合、内臓疾患があるかもしれませんので、消化器科の一般病院の受診から勧めてみてはいかがでしょうか?

◆樹陽のたよりの9月例会は初参加の方も含め9名、10月例会にも初参加の方がおり12名が参加、会場が狭く感じられるほどで、近況報告や悩みがたくさん話されました。「精神疾患の受診や発達障害の診断について、家族がなかなか受け入れてくれない」という辛い状況の方もたくさんいます。なかなか妙案はありませんが、子どもが親からあれこれ言われると反発したくなるように、親もまた子どもの言い分を素直に聞けないという心理になりがちですから、親を直接説得するよりも、何とか主治医の説明や相談機関で話を聞いてもらうように粘り強くお願いする方がよいと思います。
 また、対人不安や乗り物酔いがあるために長い旅行は無理と思っていたMさんが、どうしても観たいスポーツイベントがあり、一人で無事東京ツアーを敢行しました! 記念写真を皆さんに披露していたMさんの笑顔が、とても素敵でした!(^^)!

※函館市は毎月第3火曜日14時~16時、函館市総合保健センターで「発達障がい相談」を実施します。

対象者本人は、函館市に居住する18歳以上の市民で発達障害の診断を受けていない者で、専門医が本人または家族、関係者等の相談を無料で受けます。申し込みは☎0138-21-3077
 

函館精神障害者家族会「愛泉会」のご案内

※函館精神障害者家族会「愛泉会」は精神障害についての正しい理解を広め、家族同士が交流し助け合う全国組織の自助グループです。例会を毎月第4日曜日13時30分~16時に函館市総合保健センターで開催しています。当会とも共通する悩みや課題をお持ちのご家族も参加し、勉強会なども行っていますので、参加希望や関心をお持ちの方は野村までご一報ください。


あさがお事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp

年会費千円を納入いただきますと隔月のニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。当会は公的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にもこのようなテーマに関心をお持ちの方々に会員になっていただき、活動をご支援いただければ幸いです。
 【口座番号:02770-2-37078、口座名:道南家族交流会】