道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第95号:2013年5月

4月14日開催の総会で、下記のとおり今年度の例会日程が決定されました。
5月12日(五稜郭公園の花見で駐車場の混雑が予想されますのでご留意ください)
 6月9日 7月14日 8月11日 9月8日 10月6日(第1日曜日)
11月10日 12月8日 2014年 1月12日 2月9日 3月9日
 時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室
 6月30日(日)10時~13時 臨時例会(アカシヤ会・昴の会と合同)
  アカシヤ会20周年講演会の講師・奥地圭子さんを囲んで、「あいよる」3階第2会議室で
  開催します。講演会では質問できなかったことなど、じっくり話し合いましょう!

 樹陽のたよりも基本的には同日の午前11時~午後1時の予定です。
 会場はいつもの函館地域生活支援センター(駒場町9−24)です。

5月・6月は関連イベントが目白押し!

詳しくは同封のチラシをご覧ください。
□5月25日 アカシヤ会「多様な学び勉強会」第2回 話題提供:小林恵美子さん
 □5月26日 「昴の会」4周年・「すまいる」1周年 講演会&昴寄席!(^^)! □6月25日 チャイルドラインはこだて第3回講座で樹陽のたより・田中透さんが講演!(^^)!
 □6月29日 アカシヤ会20周年記念・奥地圭子さん講演会  
□5月~11月 「はるこどもクリニック子育てサポーター養成講座」(6月13日講師:野村俊幸)

会員登録更新のお願い

 当会は4月から新年度ですので、入会継続ご希望の方は、
 年会費(一家族)千円を同封の振込用紙で納入いただくか、次回例会時にご持参ください。
 当会は公的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にも
 このようなテーマに関心をお持ちの方々に会員になっていただき、活動をご支援いただければ
 幸いです。会員には隔月で会報や各種関連情報をお送りいたします。今年度はこれまで54家族・
 個人に登録いただいておりますが、すでに納入済みで行き違いになった場合はご容赦ください。
 【口座番号:02770−2−37078、口座名:道南家族交流会】

会員家族同士の相互訪問 これまで2回行われ、参加した皆さんにとても好評です。訪
 問を受けたいというご家族、また訪問活動に参加したいという方は野村までご一報ください。


★3月10日の例会は当事者・家族19名、サポーター4名の23名が参加、今回も人数が多いので、ひと周り発言いただく形ではなく、悩んでいるテーマを出してもらい意見交換を行う方式で進めました。
 今回は「強い対人不安を抱えているようで、大学院を中退してから外との繋がりを持つことができないでいる子どもに、どのように関わったらよいか」という悩みが出されました。この方の場合は一人暮らしで、食事等の日常生活は自力で行うことができ、身だしなみもきちんとしているけれど、家族以外の人とは、電話やメールを含め直接接触することができないそうです。
「ひきこもり」に至る経過や状態は一人ひとり違いますが、大なり小なりご本人が対人不安や強迫症状を抱えていて、それが日常生活を大きく制約していることは、今回参加された大半の家族に共通していました。訪問看護を利用している方もおりますが、ほとんどが継続的な受診をしていませんので、はっきりとした医学的な判断はできません。しかし、適切な精神科治療につながれば状態が改善すると思われる事例もありますので、本人が今の状態に辛さを感じ、何とかしたいと訴えるような場面があれば、そのような機会には率直に受診を勧めることが必要だと思います。
 しかし、家族の側が「子どもの状態を何とか改善したい」という思いから本人に働きかけても、ほとんど効果がないことも話し合いの中で明らかになっていますので、「受診につなげる妙案はない」「焦ってもうまくいかない」と家族の側も腹を固め、長期戦で臨む覚悟も必要でしょう。
 今回、ひきこもりを体験した当事者の方が「動けなくなるには必ず理由があるが、その時は本人もそれがよく分からず苦しんでいて『時間が止まった状態』になっている。そのとき、親が今の時間を起点に『こちらに来るように』と言っても、さらには『この先どうなるのか』という将来の時間を起点に働きかけても、本人の心には響かない。親御さんにも本人が立ち止まっている時間まで戻ってもらい、『引っ張る』のではなく『寄り添って一緒に歩む』とい形で関わってもらえれば、気持ちが楽になると思う」と発言されましたが、とても示唆に富むお話だと思いました。

★4月14日は例会&総会で当事者・家族22名、サポーター5名の27名と多数の方が参加され、今回は初参加の方の悩みや質問を中心に話し合いました。
「通信制高校を卒業したが次の道に進むことができず自宅にいる期間が長くなっている。食事も身だしなみもきちんとし、家族との会話もあり日常生活は安定しているように見えるが、このまま家庭内の生活に安住してしまうのではないか」「通信制高校を卒業後、単発のアルバイトはしているが、もう一歩前に進むことができないようだ。どんな働きかけをしたら良いか迷っている」といったことが話題にのぼりましたが、これは大なり小なり多くのご家族に共通する悩みだと思います。
 お話をうかがいますと、通信制高校に進学する以前に、学校生活や友達関係などで様々な辛い体験が重なり不登校になっていたとのことで、これも多くのご家族に共通することと思います。
 親として「このままでいいだろうか?」と不安になるのは当然でしょうが、話し合いの中で、ひきこもり体験者の方が「親の心配はもっともだけど、心配するほど子どもも不安になり、そんな自分を否定してしまう。まずは『これまで十分頑張ってきたので、今のあなたで良い』と伝えてほしい」と発言されていました。なかなか難しいことではありますが、ここが出発点になると思いました。
 今回は、顧問の三上昭廣先生(函館渡辺病院理事長・精神科医)にも参加いただきました。三上先生からは、これまでの豊富な臨床体験を通して「一番苦しんでいるのは本人で、ひきこもっている状態に心から満足している人はいない。ひきこもりに限らず精神科治療でも『カツ』を入れてうまくいったためしはない。認知症のお年寄りに対しても、行動を叱りつけるほど状態は悪化する。人とうまく関われないことの背景に「発達障害」があるとすれば、それはその人の『脳のタチ(性質)』であり、それをまず認めてあげられるのは親しかいない。家族関係が安定しているのは、皆さんが子どもを責めずに寄り添ってきたからで、素晴らしいことだと思います」とお話されました。

★樹陽のたよりの3月例会は5名、4月例会は7名の参加でした。この会に参加するのが家族以外と話をする唯一の機会という方もおりますし、最近はアスペルガー症候群の診断を受けたか受診予定という方が多く、「障害」をどのように理解し、日常生活や求職活動のプラスに活用するにはどうしたら良いかなどについて話し合いが行なわれ、参加者は「とても役に立つ」とお話したいます。

事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp