道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第107号:2015年5月

※4月12日の総会で、今年も例会は毎週第2日曜日に開催と決まり、次のとおりです。

【例会】時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室
5月10日 6月14日 7月12日 8月9日 9月13日 10月11日 11月8日 12月13日 2016年1月10日 2月14日 3月13日 

樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の11時~13時
函館地域生活支援センター(駒場町9−24)で開催します。

※今年度会費未納の方には振込用紙を同封いたしましたが、振込済みで行き違いの場合はご容赦ください。会報への振込用紙同封は今号が最後となります。年会費千円を納入いただきますと隔月のニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。

当会は公的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にもこのようなテーマに関心をお持ちの方々に会員になっていただき、活動をご支援いただければ幸いです。
口座番号:02770−2−37078 口座名:道南家族交流会

【2014年度(4月~3月)収支報告】

◇収入:267,722円~年会費:89,500円(カンパ30,280円、単発参加5,600円、繰越金142,392円)
◇支出:108,463円~郵送代:51,964円、事務費(紙代、領収書、マグネット等):10,166円、
         講師謝礼:15,000円   樹陽のたより助成:20,000円
         寄付金(自閉症デー):4,000円 その他(HP管理料、お茶代等):7,233円)
◇収入ー支出=159,309円 会費・カンパをいただいた皆さんに感謝です!(^^)!

※「会員家族の相互訪問・当事者による家庭訪問」「ひきこもっているお子さんへ葉書を
送る取り組み」も引き続き継続しますので、ご希望の方は野村までご一報ください。
※有意義な秋のイベントの予告

【芹沢俊介さん講演会】

「存在論的ひきこもり論」「ひきこもるという情熱」などの著者
9月27日(日)15:20~亀田福祉センター、同日13:20からのドキュメント映画「隣る人」上映会に続いての講演 (主催:「隣る人」自主上映実行委員会、函館YWCA)

【内田良子さん講演会】

NHKラジオ「子どもの心相談」でお馴染みの心理カウンセラー
10月17日(土)午後、主催予定:登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会


◆3月8日の例会も22名(当事者・家族16名、サポーター6名)と多数の方が参加され、「精神疾患が気になる」方のグループと「それ以外」のグループでじっくり話し合ったほか、発達障害についての個別相談も実施しました。

4月12日は総会を兼ねた例会で24名(当事者・家族18名、サポーター6名)が参加、全体での話し合いで悩みや情報を共有し合いました。5月以降は、またグループに分かれ、じっくり話し合う形で進めたいと思います。


◆3月・4月例会には、大変お忙しい中、顧問の精神科医・三上昭廣先生(函館渡辺病院理事長)も参加され、参加者からの悩みや質問について、たくさんの示唆に富むコメントをいただきましたので、それらの主旨を一部ご紹介します。

*原因追究が先に立つと本人を責めることになりがちで親子関係は改善しない。ひきこもるのは、今 の本人にとってはそれが必要な段階なのだとまず受け入れ、本人が安心感を持てるような関わりに努め ることが大切で、そこから親子関係の改善が始まっていく。

*家族関係が不安定で、本人が安らげないと、外に出ていく力も溜まっていかない。なので、本人が 居間で「ゴロゴロできる」ような<あずましい>環境になれば、とても良いと思う。

*ひきこもりの背景に「うつ病」などが隠されていることもあり、そんな場合に焦って働きかけては病状が悪 化する。また、急に本人が元気になっていろいろ動き出したりすると、周りは改善したと喜びがちだが、「躁転」により躁状態になっている場合もあるので、かえって注意が必要である。

*いずれにしても、ひきこもりから抜けていくのは、薄皮をはぐような過程が必要であり時間がかか るので、家族の気持の安定と、家族自身が元気でいることが大切である。

その意味でも、このような会でいろいろ話し合ったり、親自身が趣味などの楽しい時間を持つことで、家庭の外の風にふれ、 心地良い外気を家の中にいれることも大事だと思う。


◆3月・4月は「進路」の問題が問われますので、不登校やひきこもりの本人・家族にとっては特に心が揺れる季節です。お子さんの高校卒業後の行き先が決まっていないと悩む親御さんが参加されました。

真面目なお子さんで中学・高校といろいろ辛いことはあったようですが、何とか頑張って高校卒業に漕ぎ着けました。しかし、その後どうしたいのか気持ちが定まらず「しばらくひきこもる」と話しているそうです。

親御さんも、本人はだいぶ疲れているようなので、一休みしたい気持ちも分かるけど、このままずっと家にひきこもってしまうのではないかと心配しています。

 当会には医療ソーシャルワーカーの精神保健福祉士方もサポーターとして参加しています。その方が、「自分から『ひきこもる』と言えたのはとても良いことではないだろうか。

内心は無理ではと感じながら、みんな就職や進学をしていくので、自分だけ取り残されたくないと頑張ってみたものの、大学や専門学校に行ってからダウンしたり、就職面接でことごとく不採用になったり、仕事に就いても続かずにすぐに辞めたりということで、ますます自信を無くして動けなくなるというケースがとても多い。

だから、その前に「自分はまだ無理」とはっきり表明してひと休みする方が、事態を悪化させないですむのではないだろうか」とお話していましたが、確かにそうだと思います。


◆すると今度は、「ではいつまで休ませれば良いのか」という不安が出てきます。これについて、ひきこもりを体験した当事者の青年が、「ひきこもっている当時者で、今のままで良いと思っている人はほとんどいないはず。

しかし今はそう思っても動けない状態なので、そこに『このままでどうする』『大丈夫か』と声を掛けられるとますます自信を無くしていく。

子どもが安心できるためにも、親が『この子は大丈夫だ』と子どもを信じて、『今のままでもあなたは大丈夫だから』とはっきり声をかけてほしい」とお話していましたが、これもまたナルホド!と思いました。


◆長年道内で高校教員を務めたあとフリースクールに関わってきた先生が「不登校の背景に学校の制度疲労があるように、ひきこもりに悩む若者・家族がこれだけ増えてきているのは日本社会そのものが制度疲労を起こしているのではないか」と感想を述べておられましたが、全く同感です。


◆樹陽のたよりの3月例会は10名が参加し賑やかでした。4月は8名参加、顔馴染のメンバーばかりでしたので近況などお喋りして過ごしました。

就労支援事業所やデイケアに通ったり、傾聴ボランティア養成講座に通ったりと、意識的に生活の張合いを持たせるよう努力している体験なども話され、お互い良い刺激を受ける機会にもなっています。

事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp