道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第114号:2016年5月

道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第114号:2016年5月

4月10日の例会後に総会を開催し、昨年度の事業・会計報告、今年度の事業計画・役員等について協議し承認されましたので、簡単に概要を報告します。

□ 平成27年度の月例会は12回、延べ参加者数は266名(1例会平均22名)、初参加の方が23名でした。会員数は98名(家族)です。

□ 講演会等の啓発事業は、平成27年10月17日の「函館アカシヤ会内田良子さん講演会」を後援し参加者は約80名でした。また、12月例会時にレターポストフレンド相談ネットワーク代表・田中敦さんに講演いただき、意見交換を行いました。

□ 平成28年度事業は例会のほか、下記の函館アカシヤ会イベントを後援し、連携を進めます。

①「登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会」拡大例会

*5月15日(日)13:30~16:00 あいよる1階会議室
*不登校・ひきこもりを体験者した当事者の若者2名と、お子さんの不登校を体験したお母さん2名に経験を語ってもらい質疑・意見交換を行います。

②「登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会」講演会
*11月20日(日)13:30~16:00 あいよる(予定)
*講師 高橋実花さん(小児科医、「あおいそら」相談員)
*テーマ 困難を抱えた子ども・若者に寄り添うために
~家族・教師・支援者にお願いしたいこと~

□ 役員(会長1名・運営委員7名・監査2名・事務局1名)に変更なく、三上昭廣医師(函館渡辺病院理事長)に引き続き顧問をお引き受けいただきました。

【例会】今年度も毎月第2日曜日午後2時~4時、函館市総合保健センター2階会議室等で開催します。日にちは次のとおりです。
5月8日 6月12日 7月10日 8月14日 9月11日 10月9日  11月13日 12月11日  2017年 1月8日 2月12日 3月12日 
 
樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の11時~13時、函館市総合保健センター(第2健康指導室)で開催します。

※4月から新年度ですので、会員継続にご協力をお願いいたします!(^^)!
年会費千円を納入いただきますと隔月でニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にも関心をお持ちの方々に会員になっていただきご支援いただければ幸いです。

入会継続される方は、同封の振込用紙をご利用いただくか、例会時に納入をお願いいたします。すでに納入済みにもかかわらず振込用紙が行き違いになりましたらご容赦ください。この同封は今号で終了いたします。
  
口座番号:02770-2-37078 口座名:道南家族交流会

※家族だけで抱え込まないことがとても大切で、当事者の方に運営委員の安藤さんが手紙を送る取り組みや、レターポストフレンドが絵葉書を送る事業を是非ご活用ください(同封資料参照)。

※前号で北方ジャーナル2016年8月号に掲載された就労支援について野村のインタビュー記事を同封する旨記載しましたが漏れてしまいましたので、今号に同封いたしました。

【3月例会から:「一歩の歩み」も本人とっては「決死の覚悟」なのです】

春を感じる季節になりました。3月13日の例会も21名とたくさんの方に参加いただきましたので、3つの小グループでの語り合い形式で行われました。毎回好評ですので、参加者がより多くの思いを語ることができるこの形で定着していければと思っております。

小グループで集まってもメンバーが抱えている状況はまったく違います。例えば、当事者の年齢・性別・ひきこもる状況になったきっかけ・現在の生活状況や考え・親子および家族との関係・親の年齢・親の考えと対応の仕方などなどです。話し合いでは、その違いを受け入れながら、お互いを理解していきます。

理解が深まっていくと、その語りの中に「それはうちでも見られること」「それはあるよね」といった自分と重ねて考える部分があることに気づいてお互いの状況理解がさらに進みますので、メンバーの状況が我がことのように感じられていきます。

最も多い「それはすごくわかる」状況は、お子さんの見せる態度などよりも、それぞれの「今」が一歩進まない「いらだち」や、「こうなればいいなと」いう思い描きに結びつけていく術やきっかけが得られない焦りや空しさを感じてしまう瞬間の気持ちに対してなのだと思われます。

今回もたくさんの話題が出て、皆で共有しながら考えていきました。一見進歩と見られる状況も自信につながる場合もあれば、かなりの負担を感じている場合もあって、一様に語れないことを痛感します。

以前より人の中に出て行くことができるようになったとか、まったく知らない人への対応をするなどの変化が見られても、それが本人には決死の覚悟のもとに行われている場合には、進歩しているけれど本当に本人には必死なことなのだと思うと、大変だなと思うと同時にその階段を上る経過が難しいものであることが再認識されてしまいます。

このような状況への家族の複雑な思いは、当事者を持つ家族だからこそ分かり合える気持ちであり、時間の長さを受け入れる思いでもあるのかなと感じました。障害を親子で受け入れるのも難しい問題です。特徴をよく理解して見守ることも大切です。

特徴によってはルールを設けることが生活上必要な場合、またその制限や決まりによって本人がここまでなのだと理解して安定することもあるので、診断された機関との連携も大切になっていきます。

子どもの年齢が高くなっていくと、支える親の年齢も高くなったり、体調が悪くなると先が案じられて心配がかさんでいきます。これからも社会資源情報をしっかり得て、皆で情報共有しながら分かり合える場を作っていきたいと思います。

即解決策を得ることができなくとも、分かり合える瞬間を共有することで繋がりを感じることができます。それがこの「あさがお」なのだと再認識した例会でした。

【4月例会、「樹陽のたより」の状況について】

4月10日の例会も26名とたくさんの方に参加いただきました。三上昭廣先生が参加してくださいましたので、今回は三上先生を囲んで「精神疾患が気になる」という方々と、日常生活全般についてテーマにしたいという2グループに分かれて話し合いました。

樹陽のたよりの3月例会は札幌からのゲストの方も含め9名が参加、4月例会は初参加の方を含めて8名が参加しました。この集いは特にテーマを決めないで近況を語り合ったり、みんなに聞いてみたい話題など自由に出し合い情報交換しています。何か解決策を求めたいという方には物足りないかもしれませんが、お喋りすること自体が目的の「井戸端会議」みたいものですから、和気あいあいの雰囲気です。

コミュニケーションに苦手意識があったり、他人と接触することに不安のある方なども参加しやすいと思いますので、どうぞお気軽にご参加ください。
話題の中には、精神科受診に関する耳寄りな情報や、元気な気持ちになるような生活上の工夫や秘訣、障害認定を受けたことが自分にとってどうだったかという体験談、障害者就労や作業所の利用の仕方、「こんなことをやろうとしている」といった将来への夢などの話題は様々です。PCをしっかり学んで在宅ワークを立ち上げたいなど、元気をもらえる話も出ました!(^^)!

事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp