道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第133号:2019年7月

 

あさがお例会の日程について

【例会】毎月第2日曜日午後2時~4時、函館市総合保健センター 2階会議室等で開催します。

 

日にちは次のとおりです。

 

7月14日 8月11日 9月8日 10月13日 11月10日 12月8日

 

樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の11時~13時、

函館市総合保健センター(2階奥右側、第2健康指導室)で開催します。

前川喜平さん教育講演会について

※ 7月21日(日)、13時から函館大学において、「登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会」と「登校拒否を考える全国ネットワーク」が共催し、元文部科学省事務次官・前川喜平さんの教育講演会を開催します。

 

テーマは「不登校でも大丈夫~多様な学びと教育機会確保法」です。

15時30分からは、全国ネット代表で、日本で初めての本格的フリースクール東京シューレを設立した奥地圭子さんを囲んで家族交流会を開催します。

 

参加費は無料で、大変貴重な機会ですので、是非ご参加ください。チラシを同封します。

 

⇒教育講演会の詳細はコチラからどうぞ

「昴の会」の映画上映会について

※8月4日(日)は「昴の会」が13時30分から北斗市かなで~るにて「みんなの学校」上映会を開催します(入場無料)。

 

一人の子どもも排除しない学校づくりを行った大阪市の小学校の実践を描いた感動のドキュメンタリー映画です。

チラシを同封しますので、多くの方の鑑賞をお待ちしています。

 

※この間、悲惨な事件が「ひきこもり」と関連づけられて報じられ、皆さんも胸を痛めていると思います。

報道の中にも、安易にひきこもりが犯罪の温床であるような見方を戒める記事も出ています。

東京新聞に野村のコメントが掲載されましたので、ご紹介します。

【5月・6月の例会の概要】

5月12日は17名が参加、2グループに分かれて話し合いました。樹陽のたよりは5名参加し、近況や悩みなどを語り合いました。6月例会は次号で報告します。

 

【何気ない日々の営みの中に大きな手掛かりが】 運営委員:安藤とし子

≪日々の小さな変化積み重ねが大きな励みに≫

毎月一回、家族会は開催されます。この「一か月」の間には、それぞれの家族の生活の変化があります。

毎回のように初参加される方々もいて、家族会が必要とされる状況はまだまだ続きそうです。

初めて参加される方の状況は深刻なことが多く、話す家族の表情も重く沈んでいます。

 

毎回参加している方々は同じような経験をしていたり同じ状況が続いていたりするので、共感しながらゆっくりと話を聞いています。

深刻な状況を話せること・それを受け止めてもらえることが初めて参加された方の緊張をやわらげ、「なぜこんなことに」「どう対応したらいいのか」と感じるのは自分たちだけではないと実感されて帰るようです。

これは問題を抱える家族にとって、孤立せずに深刻な状況と向き合っていくための大きな力になっていると思います。

 

毎回参加される方の近況報告を聞いていますと、時々うれしい変化があったという報告があります。

「家族で外食した」「通院するようになった」「仕事を始めた」というような内容です。話す家族の表情は、一か月または数ヶ月前と比べてとても明るく穏やかになっています。

 

聞いている私達にとっては「一か月」またはそれ以上の空白期間があるので、当事者に劇的な変化があったように感じられることもしばしばです。

でも、一緒に暮らす家族にとっては日々の小さな変化が積み重なった結果の出来事であり、突然の出来事ではないのでしょう。

≪きっかけは、後から気付くもの≫

こうした報告を聞くと、「良かった」という気持ちになり心が温かくなる半面、「うちにもそんな時がくるのだろうか」という思いも抱いてしまいます。

どんなことがきっかけになり動き出したのか、大きな変化のないまま「一か月」を過ごした家族にとっては聞いてみたいところです。

 

何かきっかけがあれば動いてくれるのでは…とよく考えますが、「『きっかけ』というのは後から気づくものではないか。

毎日の生活の中では『きっかけ』と気づかずに暮らしていて、体調が悪かったり精神が安定していないと見過ごすことも多いように思う。」と、ひきこもりを経験した方が話していました。

≪わが家の「食器洗い」の体験から≫

それぞれの家族の近況を聞いていますと、その家族にとっては日常的なことであっても、他の家族の目線でみるといろいろと気づかされることがあります。

それは些細な事ことから重要なことまで様々あります。

重要なことは例会でも話題になりますが、些細なことは気づいた方の胸の中にしまわれ、例会では話題にならずに終わることが多いように感じます。

 

例会終了後、ロビーで居残った方たちとそうしたことを話していますと、普段例会では話されない日常生活の些細なことの中に「きっかけ」は埋もれているような気がしてきます。

例えば私の娘は、食後自分が使った食器は必ず流しに下げて水につけていきます。

私は「わずかな食器なのに洗えないのか」と時々思いますが、聴覚過敏のある娘はカチャカチャという食器の音が苦手なようです。

 

こんな話をすると、「それだけでも助かるよね。」と言われました。

そう言われてみて、毎食後に必ず食器を下げる娘の行為が当たり前になりすぎて、私は時々不満を感じるようになっていたんだと思いました。

すると、「私も子どもに食器を下げるように言ったけど、『前に下げた場所が悪いと怒られたからもうしない』と言われた。」と言う方がいました。

≪些細な行動が「家の中の居場所」につながることも≫

私も娘に同じことを言われたことがあります。

私は、「下げる場所を決めて、『ここに下げてくれたら問題ない』と言ったらやってくれるようになった。」と話しました。

こうしたやり取りの中に、何の変化も感じられない日常を見直すヒントがあるように思います。

 

以前娘が「ちょっとしたことでも家の中に自分の役割があると、家族としての自分の居場所があるように思える。」と言っていたことがありました。

「食器を下げる」は些細なことですが、娘にとっては「家族としての居場所」を意識させる行為なのかもしれません。月に一度の開催ですが、「やってみようかな」と思うことや「あれで良かったのかな」と省みたりすることが毎回あるように思います。0

≪例会の前後の何気ない立ち話にも大切なヒントが≫

例会の中で近況報告をしたり聞いたりすることも大事ですが、会が始まる前や終了後の立ち話も、個人的な情報交換の場として欠かせないものになっているようです。

例会で繋がり、親しく交流するようになった方々もいます。

家族会に足を運んだことそれ自体が、当事者や家族が新たに動き出す「きっかけ」の第一歩になっているのではないでしょうか。

 

事務局:庶務は社会福祉法人博栄会グループホーム管理者・越野、社会医療法人函館博栄会高齢者複合施設「ケアタウン昭里」施設長・森が担当し、対外的な連絡窓口は野村が担当します。

野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984  tnomura@sea.ncv.ne.jp