道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第137号:2020年4月

 

 

【例会】毎月第2日曜日午後2時~4時、函館市総合保健センター2階会議室等で開催します。

日にちは次のとおりです。

4月12日(総会)  5月10日  6月14日 7月12日 8月9日

 

樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、同日の11時~13時、函館市総合保健センター(2階奥右側、第2健康指導室)で開催します。

※コロナウイルス対策上、例会を中止する場合もありますので事前にご確認ください。

 

 

4月から新年度になりますので、会費納入用の払込取扱票を同封いたします。

当会は公的な財政支援はなく、主に会費により運営されていますので、引き続き会費を納入いただければ幸いです。

 

なお、隔月で発行しておりました会報ですが、事務局体制等の都合上、今年度より4半期ごとに年4回発行いたします。

結果的に会報1回あたりの料金が値上げになってしまい申し訳ありませんが、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

北斗市でもひきこもりに悩む家族の自助会がスタートしました。

北斗市で老人福祉施設や障害者福祉 施設を運営する社会福祉法人函館緑花会が、法人の運営する地域交流拠点の「ふれあい食堂いこい」(北斗市本郷2丁目31-16)を会場に、毎月第3土曜日の午前中に開催します。

 

チラシを同封しましたので、是非こちらにもご参加ください。(コロナ対応のため開催可否を事前にご確認ください)

 

【1月・2月・3月の例会の概要】

1月12日の例会は21名が参加、初参加の方々を中心にしたグループと発達障害に関心のある方々のグループ、それ以外のグループと3グループでじっくり話し合いました。

 

2月9日は19名の参加で、発達障害とそれ以外の2グループで話し合いました。

樹陽のたよりの1月例会は11名、2月は7名参加し、近況などを語り合いました。

 

なお、3月例会はあさがお・樹陽ともに、コロナウイルス感染拡大防止のため中止いたしました。

【「会話がない」というご家族の悩みについて】運営委員・安藤とし子

ひきこもる人のいる家庭では、家族間の会話が無くなっていくという家庭が少なくありません。

原因は「当事者がほとんど話さないため」だと大部分の家族は考えているようです。

 

当事者の言葉が聞けないため、相手が何を考えているのかわからない・何を言っても反応がないという無力感や相手を刺激するのではないか・追い詰めはしないかといった憶測や思い込みが家族の心の中にあり、徐々に話しかける言葉を失っていくようです。

 

やがて「話さない当事者」「話しかけない家族」の関係が作られていき、会話のない家庭になっているように感じます。

 

これは、当事者を受け入れられない・腫れ物に触るようにしか接することが出来ないという事とつながるようです。

聞き方の工夫で会話も生まれる

例会でも、長時間外出して帰ってきた当事者に「相手の行動を詮索するようで、どこに行ってきたのか聞けない」というような話をよく聞きます。

 

こうした、些細なことも聞けない相手への気遣いが、少しずつストレスとなって家族の胸の内にたまる事もあります。

 

相手が当事者でなかったらどうでしょう。

「お帰り。今日はどこまで出かけたの。」と聞けないでしょうか。

 

ほかの家族に聞けることなら、当事者にも同じように聞いてみてはどうでしょうか。

聞くときには1つ気を付けたいことがあります。

「どこに行ってきたの」とストレートに聞かないということです。

 

追及しているような威圧感を避けるため、「お帰り」という言葉でワンクッション入れることが大事だと私は思っています。

 

相手が無視したり「うるさい。」と言えば、聞かれたくないんだとはっきりわかります。こちらの憶測ではなく、相手の反応でわかるのです。

 

「どこに行ってきたの」が相手の答えたくない事なら、後は答えのいらない「お帰り」の声掛けだけを続けたらいいと思います。

また、「冬なのにシャワーしか使わない。」という話も何度か聞きました。

 

「寒くないのか」「どうして湯船に入らないのか」が気になるけど聞けないと言います。

この場合は、「寒いね。シャワーだけで大丈夫?」と聞いてみてはどうでしょう。

 

私の知人にも「冬でもシャワー派」がいます。「湯船に入るとのぼせる」のだそうです。

入浴が苦にならない人にはわからない理由があるのかもしれません。

 

こうした日常の細かな「聞きたいこと」は、聞いてみた方が良いのではないでしょうか。

普段自然に出てくる言葉がけもためらうようになると、どんどん会話は無くなっていくようです。

 

「相手が話さないから、こちらも話さない」といった「だんまり比べ」のような状態に陥らないようにしたいものです。

話しをしなければ伝わらない

将来のこと・仕事のことなどの重い話題ではなく、日常生活でのささいな聞きたいこと・話したいことを言ってみてはどうでしょう。

 

こうした普段の会話の中から、憶測や思い込みで考えていたのとは違う相手の気持ちを知ることが出来るのではないでしょうか。

 

最近読んだ記事の中に、印象に残るものがありました。コピーライターの方が就活中の若者に仕事の説明をしているインタビュー記事の一文です。

 

『家族だから「言わなくても何でも分かっているだろう」と思っていても、実際に話を聞いてみると、全く伝わっていなかったり、話を誤解して大きなズレが生じていたりするんです。

 

内部だけでは暗黙の了解のように感じられていることでも、外部に伝えることによって初めて内部が気づくということは結構あるんです。』

 

この内容は、会話を失っていく家族に向けて言われたようにも感じました。

インタビューの中では、優れたコピーを作るコツとして「なんでもつぶやいてみる」というのもありました。

 

「おいしいね」「どうやってつくったのかな」など気づいたことをつぶやいているうちに、「小さなことが大きな反響につながる」とありました。

 

家族会の状況に当てはめると、日常のありふれた会話の積み重ねが、家族と当事者の間の大きな溝を埋めることにつながっていくと言われているように感じました。

【ひきこもり相談窓口の設置等、函館市に要望】

「あさがお」に繫がることのできたひきこもりのご家族は全体のごく一部で、多くのご家族はどこに相談してよいか分からずに孤立しているのではないでしょうか。

 

そこで、「あさがお」では函館市に対し、別紙のような要望書を昨年12月25日に提出し、大泉保健福祉部長が1時間も丁寧に対応してくださいました。

 

函館市は市内10か所の地域包括支援センターを拡充する形で、あらゆる生活相談に応じる地域福祉拠点の整備を目指しており、ひきこもり相談もそこで対応できるという方向性が示されました。

 

詳しくは同封の新聞記事を参照ください。

また、ひきこもり家族の実情を把握する必要性も理解いただき、1月例会に大泉部長が自ら参加してくださいました。

行政との連携が今後ますます重要になると思います。

 

事務局:庶務は社会福祉法人函館博栄会グループホーム管理者・越野、社会医療法人函館博栄会高齢者複合施設「ケアタウン昭里」施設長・森が担当し、対外的な連絡窓口は野村が担当します。

野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984  tnomura@sea.ncv.ne.jp