道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第144号:2021年10月
【例会】毎月第2日曜日午後2時~4時、11月からは「あいよる」です。
10月10日市民会館小会議室1
11月14日函館市総合福祉センターあいよる3階第1会議室
12月12日・1月9日同4階会議室、もう1部屋確保してますので小グループでも語り合えます。
樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も同日の11時~13時開催
※新型コロナの感染状況によっては変更する場合もありますので事前に開催をご確認ください。
【同封資料のご紹介】
・「社会参加に辛さを抱える方と家族の自助会・相談会」の10月~1月行事予定
当地では関連する行事が随分増え、函館市社協のひきこもり相談会も毎回利用者があります。
今年度は「あさがお」から安藤代表代行をはじめ4名を相談員として派遣しています。
・ 社会福祉法人函館緑花会では昨年「ひきこもりに悩む家族の自助会」を開設したのに続き、10月から「生きづらさを抱える方々(当事者)の自助会」も開催します。
是非ご利用ください。
・「お話聴きますカフェ」「はこだてホッと親サロン」も引き続き開催されています。
例会と一味違い、気持ちが和みまさにホッとする空間になっていますので、お気軽にご参加ください。
・「函館圏フリースクールすまいる」が五稜郭公園近くの渡島教育会館(旧北海道教職員組合渡島支部事務所)に移転し、とても広々となりました。
毎週金曜日13時~15時は若者の居場所ヨリドコロも開設しています(函館市民は無料)。
・「不登校を考えるオンライン講座」はひきこもりの理解にも役立ちます。
来年2月7日は野村の担当で、次女が自身の体験と今取り組んでいるホームスクールについて報告します。
・前号に引き続き次女が不登校新聞に連載した「娘からの返信③」をご紹介します。
【2021年7~9月の例会】
「あさがお」の7月11日例会は21名の参加で2グループに分かれて語り合いました。
8月8日はコロナ感染拡大に影響もあり6名の参加でした。
9月12日は緊急事態宣言という状況のため例会ではなく個別相談会を開催、3名の方が相談においでになりました。
「樹陽のたより」の7月例会は10名、8月例会は8名の参加で盛況でしたが、9月は中止となりました。
7月・8月は函館西高校放送部の生徒さんも参加されました。
この間取材を続けて作成した番組が北海道高校放送コンクールで入賞し、全国大会に出品するという嬉しいお知らせもありました。
【「ひきこもり」の理解と支援のあり方を考える②】
道南ひきこもり家族交流会「あさがお」代表代行 安藤とし子
2「ひきこもり」当事者のために何が大切か
(1)「ひきこもり」当事者が安心できたこと
ひきこもる当事者とどう暮らしていけばいいのか、いつこの状況は終わるのか、親の心配・不安は尽きません。
どの家族にも合う、こうすればいいという確実な方法があるわけではありません。
ただ一つ大切なのは、家を安心できる場所にする事だと思います。
では、どんな対応が当事者に安心感をたらすのか、NHKのサイトから当事者の言葉を拾ってみました。
まず、当事者が安心できたことです。
・「家族の中で、母のみが理解し、厳しく私を責める父から守ってくれたこと」
・「家族は特に何も変わらない対応をしてくれました。自分には姉は二人いますが、どちらも結婚相手に自分を隠さず紹介してくれており、旅行に一緒に連れて行ってくれたりもしました。
多くの場合勝手にひきこもりを公開されることはその人を傷つけるでしょう。
しかし、うちは元々の関係が非常に良好だったため、隠されなかったことが結果的に自分も隠れないで済む環境になることに繋 がりました。
父も『自分がなくなった後、母のことを看取って欲しいとは思うが、お前はお前の思うようにしていてくれればよい』と時折言ってくれていました」
・「両親とも学校へ行けとは一度も言わずに、毎日は変わらずに接していてくれた。
父は仕事場や、お得意様訪問に行く際、私を一緒に車に乗せて連れ出してくれていた。
仕事場では年配の女性が事務をしていたが、電話番だけさせてもらって数百円のおこずかいをもらい『お仕事って面白いでしょ?』と言ってくれた」
(2)「ひきこもり」当事者が辛かったこと
当事者が辛かったこととしては次のような言葉がありました。
・「『変わってあげられたら良いのに』という一言はとても嫌でした」
・「父の『いつまでその状態が続くんだ』『(兄たちと)同じように育ったのに、何でお前だけそうなんだ』
父が責める口調で言うから何も言いたくなくて黙っていると、『可愛げがない』『人の感情が 分からないのか』『悪魔の子』と言われたこと。
望んだことは、分からなくても良いから、とにかくそっとしておいて欲しかったこと。」
・「次の仕事を早く見つけろと言われるのは苦しかったが、両親も病気でお金がなかったので当然のことだと思っている。」
このような親の対応を責める気になれない方も多いのではないでしょうか。
「いつまで続く」「なぜお前だけが」は親の正直な驚きでしょう。
ひきこもる人は、自分の生きる困難さに家族を巻き込みたいわけではありません。
多くの当事者は、家族に対し負い目を感じながら暮らしています。
自分がひきこもったために、家族までもが今までの日常を失うのはとても辛いことだと言います。
(3)「原因探し」より、まず安心できる場と時間の提供を
子どものひきこもりに引け目を感じ、今まで習慣にしていた外食や旅行をひかえたり趣味の会をやめてしまうのは、当事者のダメージに追い打ちをかけることがあります。
親は「負い目を感じているようには見えない」と言いますが、当事者が親に自分が受けたダメージをさらけ出すことはできないと思います。
それは、ダメージを受けた経緯を再確認する作業につながるからです。
容易にできることだとは思えません。
親は「なぜ・どうして」と起きてしまったことの原因探しより、当事者が安心して自分を取り戻せる場と時間の提供を考えた方が良いでしょう。
ひきこもりから脱出するのは、親にとっては「世間一般の生活に戻る」ことですが、当事者にとっては「大きなダメージを受けた場所に再び戻る」ことでもあります。
「戻る」には、受けたダメージの大きさに応じた時間がかかるでしょう。
戻って暮らしたいのか、別の生き方がしたいのか。家が自分の生き方をゆっくり考え心を整えられる場所であることは、当事者の大きな支えになると思います。
(引用:NHKこもりびと https://www3.nhk.or.jp/news/special/hikikomori/)
※就労移行支援事業所ジョブシードのご了解を得て「ジョブだより」23号に掲載した原稿を転載しました。
事務局:庶務は社会福祉法人函館博栄会グループホーム管理者・越野、社会医療法人函館博栄会高齢者複合施設「ケアタウン昭里」施設長・森が担当し、対外的な連絡窓口は野村が担当します。
野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)
090-6261-6984
tnomura@sea.ncv.ne.jp