道南ひきこもり家族交流会「あさがお」ニュースレター第108号:2015年7月


【例会】時間:午後2時~4時 会場:函館市総合保健センター2階会議室

7月12日 8月9日  9月13日  10月11日  11月8日
  12月13日 2016年1月10日 2月14日 3月13日 

 樹陽のたより(ひきこもりを体験した当事者の集い)も、7月から「あさがお」と
  同じく函館市総合保健センター(第2健康指導室)で、11時~13時に開催します。

※「会員家族の相互訪問・当事者による家庭訪問」「ひきこもっているお子さんへ葉書を送る取り組み」

も引き続き継続しますので、ご希望の方は野村までご一報ください。また、「レターポストフレンド」も手紙(絵葉書)をお届けする事業を開始しましたので詳しくは同封のチラシをご覧ください。

※関連イベントのご案内
【シンタの集い】7月25・26日(土・日) グリーンピア大沼 同封チラシ参照
【白崎やよいさん(自閉症スペクトラム障害成人当事者の会・よせなべ代表)講演会】

8月16日(日)13:30~15:30 函館アカシヤ会の8月拡大例会として開催します。「あさがお」
会員は無料(一般は資料代200円)で、会場は函館市地域交流まちづくりセンターです。

【芹沢俊介さん講演会】「存在論的ひきこもり論」「ひきこもるという情熱」などの著者

9月27日(土)15:20~亀田福祉センター。同日13:20からのドキュメント映画「隣る人」
上映会に続いての講演。主催:函館YWCA。次号にチラシを同封します。

【内田良子さん講演会】NHKラジオ「子どもの心相談」で著名な心理カウンセラー

10月17日(土)午後(時間未定)、主催予定は登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会で、終了後懇親会を予定、翌18日(日)10時からは内田さんを囲んでの拡大例会も開催します。会場は「あいよる」4階会議室、「あさがお」会員も無料です。次号にチラシを同封します。

◆5月10日の例会は26名(当事者・家族名19名、協力者7名)もの参加者で、「膠着状態が長い方」とそれ以外の方の2グループでの話し合いのほか、学齢期の不登校についての個別カウンセリングも実施しました。6月14日の例会も24名(当事者・家族16名、協力者8名)と多数の方がが参加、前回と同様の2グループで話し合いました。

◆樹陽のたよりの5月例会はも13名と多数が参加、6月も9名が参加、最近は人数が増えてきましたので、こちらも7月例から会場を函館市総合保健センターに変更します。これまで会場を提供してくださった函館地域生活支援センターの皆さまに心から感謝申し上げます。

「親亡き後」の心配よりも「自身の元気な老後」を目指して

ひきこもりが長期化しますと、親御さんたちも高齢化してきます。どなたも「自分がいなくなった後」の心配が大きくなります。ですから、「こんな状態を続けていて良いのか?」「アルバイトでも良いから働いてほしい。」といった事を考え続けたり、ついお子さんに向かって言ってしまいます。

「あさがお」顧問で精神科医師の三上昭廣先生(函館渡辺病院理事長)は例会でおっしゃいました。「親が亡くなった後、お子さんの生活が成り立たなくなることはない。何らかのかたちで生活が成り立っていくものだ。自分が死んだ後の心配をするよりは、今お子さんが生きていてくれて、一緒に生活していられる事に感謝して暮らしてほしい。」と。

先日石川診療所を訪ねた折、診療所長の高橋和俊先生もおしゃっていました。「グループホームで暮らしていた障がい者の方が、親が倒れ看病・介護が必要になったとたん、自宅に もどり親の世話をしっかりとするようになったという例は珍しいことではありません。」と。

このような両先生のお話をお聞きしますと、「親の死後」の心配をするよりは、「元気に暮らせる老後」を考えたほうがよいように思います。

当事者お二人も、こんなふうにおしゃっていました。「ひきこもっている年数もふくめて、それが自分の人生のすべて。それを否定的に言われると、自分の人生のみならず自分自身もすべて否定されたよう に感じる。

一歩前に踏み出す勇気が消える。」「ひきこもっていることは当事者にとっても辛いこと。このままではいけない事はよくわかっているけど、外に向かっていけない。

こんなにも辛いの に、さらに精神病的な症状が出てきている方は、どんなにか辛く苦しいことだろうと思う。」おそらく今ひきこもっているお子さんたちも内心では、この2人のように悩み苦しんでいるのかもしれません。

これ以上お子さんの精神的な負担にならないためにも、高齢化してきている親御さんたちは「自立して生活していける元気な高齢者」をめざし、自らの健康管理、いざという時のための支援機関・相談機関・支援内容など情報収集しておくことも必要かと思います。【安藤】

「世間並み」という思いをいったん頭から離して、親子の歩み寄りを

会員のお一人が、「親戚が集まった時、家から出ない子のどこが心配なのと言われました。朝帰りしたり、何か悪いことしてるわけでもないのにって。」と話されました。確かに世の中には、「犯罪を繰り返す」「難病・重度の障がいがある」といったお子さんがおられる親御さんもいます。

その方たちの「心配」に比べれば、五体満足で、ともに食事が でき、たまにはいっしょに外出もする…。こういったひきこもり状態は「心配」ではないのかもしれません。

でも、これらの「心配」は本来比べられるものではありません。「家の外の社会とかかわれない」「家族とすら会わない・会話もしない」といった状態が年単位で続いているというのは、親にとって重い「心配事」です。

私達親によく言われることは、「まず、子どもと一緒にいられること、子どもが生きていてくれることに感謝すること。そして、子ども自身も思い悩んでいるとわかってあげること。」などで、今の状態を受け入れるように…ということになります。

本当にその通りなのですが、なかなかそのように思えません。「世間並みの状態」にもどしたい気持ちは、なかなか頭から離れてはくれません。ひきこもりの年月は、親の苦悩の年月でもあります。

お子さん自身も同じだと思います。同級生が、仕事をし、家庭を持ち、社会生活を送っているのを知っています。それが「普通」なのに、どうしてもできない自分もわかっています。

これからの将来、親のことも含め、考えていないお子さんはいないと思います。でも、どう考えても「世間並みの状態」に、今はなれない自分がいます。お子さんにとっても、苦悩の年月だったと思います。

お互い、それぞれの「苦悩」を持つものとして、親子が語り合うことはできないものでしょうか。「世間並みの状態」は、いったん頭から離し、同じ人間として、人生経験の豊富な親のほうから、歩み寄ることはできないものかと思います。

そうするには「きっかけ」が必要で、それがなかなかつかめないという問題もあります。まず親のほうが、勉強会・講演・家族会などで情報収集・学習をし、将来に安心感が持てるようになると、心にゆとりがでてくるそうです。ひきこもり家族が、孤立しているわけではありません。

様々な機関も、第三者としてのかかわり方を考え、動き始めています。私達もできるところから一歩ずつ進んでいきましょう。
【安藤】

事務局:函館渡辺病院医療福祉科(森・越野) 電話:0138-59-4198 FAX:59-2507
   野村俊幸(社会福祉士・精神保健福祉士)090-6261-6984 tnomura@sea.ncv.ne.jp

年会費千円を納入いただきますと隔月のニュースレターをお送りし、例会参加費が無料となります。当会は公的助成を受けず、会費や寄付のみで運営しておりますので、ご家族や当事者以外にもこのようなテーマに関心をお持ちの方々に会員になっていただき、活動をご支援いただければ幸いです。
口座番号:02770−2−37078 口座名:道南家族交流会